[5] クロマトグラムからわかること ピーク形状: 溶媒ピークのテーリング

2011-jaap-pasfoto4クロマトグラムは指紋のようなものです。クロマトグラムを”読む”ことができれば、なにがその結果をもたらしたのかを知ることもできます。このシリーズでは、ユーザーの皆様からいただいたGCのクロマトグラムを示し、そこに現われている現象の潜在的な原因について説明しましょう。そして解決策を考えてみましょう。

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図1.溶媒ピークのひどいテーリング

図1のような溶媒ピークが見られました。新しいカラムを取付けた直後で、ひどくテーリングしています。溶媒はテーリングしますが、通常は樹木の幹のように見えます。ピークのテーリングは、メインの注入が終わった後から、残っていた溶媒分子が入っていくことで生じる場合もあります。このようなテーリングは大抵、デッドボリュームによって引き起こされます。

デッドボリュームの原因:

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図2.デッドボリュームをなくすには、フューズドシリカカラムを正しく切断する必要があります。カラムに対して90℃の角度で切断します。大抵の場合、シンプルなセラミックカッターで十分です。

接続部分でカラムの端がきちんと合っていない場合:カラムの切断面が垂直になっていない場合もあります。セラミックカラムカッターを確認し、図2に示したような良好な切断面になるようにしてください。

カラムが正しい位置に取付けられていない場合:注入口(ライナーに対して)での取付け位置が正しくない場合や検出器でのカラム位置が悪い場合。装置メーカーのマニュアルで正しい取付け方を確認してください。

スプリットレス注入で、注入後もスプリットラインが閉じたままの場合:スプリットレス注入では、一定注入時間経過直後に注入口内をフラッシュする必要があります。スプリットラインが汚れによって詰まっている場合もあります。スプリットベントラインの詰まり: http://blog.restek.com/?p=5454

ユニライナーとの接続がきちんとシールされていない場合:  ユニライナーを直接注入法に使用する場合、カラムとライナーの接続がきちんとシールされている必要があります。適切にシールされていないと、溶媒の一部が漏れ出てテーリングの原因となります。

その他の考えられる原因:

注入口の温度が低い場合。これはサンプルの移動に影響します。  注入口温度を確認してください。

 

ライナーに対して溶媒量が多すぎる場合; この場合、溶媒はライナーからバックフラッシュし、キャリアガスラインへと入ってしまいます。これにより、メモリ効果やキャリーオーバーも発生します。ライナーが対応できる溶媒の最大気化容量を確認してください。また、溶媒気化容量は溶媒の分子量に依存することに留意してください。注入量を減らすか、ライナーの内径が大きいものを使用してください。

カラムが溶媒に対して活性を示す場合。これは極性溶媒(メタノール)で起こり得ます。カラムのブランドにもよりますが、多かれ少なかれ生じる問題です。Rxi-シリーズのような新しい世代のカラムは、それ以前のものに比べると不活性な傾向があり、ピーク形状は改善されます。また、カラム取付け時にグラファイトくずがカラムに入ってしまった可能性もあります。グラファイトフェラルを取付け後、カラムは1~2 cmカットしてください。

テーリングが改善されない場合、カラムがサンプルマトリックスやキャリアガスのコンタミネーションによって活性化されている可能性もあります。ガードカラムやキャリアガスフィルターの検討も必要に応じておこなってください。

The original bolg was published on May 12, 2013 @ 20:34 .

 

 

[4]クロマトグラムからわかること ピーク形状: PLOTカラム(吸着剤)を用いた場合の過負荷

2011-jaap-pasfoto4クロマトグラムは指紋のようなものです。クロマトグラムを”読む”ことができれば、なにがその結果をもたらしたのかを知ることもできます。このシリーズでは、ユーザーの皆様からいただいたGCのクロマトグラムを示し、そこに現れている現象の潜在的な原因について説明しましょう。そして解決策を考えてみましょう。

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図1.アルミナカラムによる炭化水素の分離。テーリングの影響でブテンの異性体分離ができていない。 吸着クロマトグラフィーにおけるテーリングのほとんどは過負荷によるもの。

 

Rt-Alumina BOND/KClカラムで炭化水素の混合物を分析しました。ピーク形状が図1のクロマトグラムに示したようになりました。ブテンがテーリングし、分離が悪くなっています。通常、テーリングはカラムに存在する活性部位によって引き起こされます。

この場合、固定相は吸着剤であるアルミナです。ここでの分離機構は、気―液クロマトグラフィーとは異なり、気―固クロマトグラフィーに基づきます。気―固クロマトグラフィーでは、成分と吸着剤表面とが相互作用します。このため過負荷による現象も異なってきます。図2にその影響を示します。Rtx-1のようなポリマーを固定相としている場合、オーバーロードしたピークはなだらかに立ち上がり、その後急激にベースラインまで下がります。気―固クロマトグラフィーでは、この反対になります。成分が溶出してくるとピークは急激に立ち上がり、ピークトップからベースラインにもどるまではなだらかに下がっていきます。

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図2.過負荷成分のピーク形状。左:気―液相互作用 右:気―固相互作用

これが図1で観察されたことです。ブテンのピーク形状は過負荷によるものです。

図3にRt-Alumina BOND/KClカラムへ1成分あたり5もしくは50 ng注入した場合の影響を示します。過負荷による影響は明確です。また、オーバーロードしたピークのピークトップの保持時間が早くなることにも注意してください。

 

この現象は、全てのPLOTカラム(Porous Layer Open Tubular)および同等のパックドカラムにおいて起こります。ShincarbonやMolsieve 5Aおよび13XやSilicagel、Rt-Q、QS、SおよびU BOND、Alumina BOND/MAPDおよびCFCなどの一般的な吸着剤は、過負荷に対し同じ症状を示します。

 

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図3.カラムへの導入量が少ないほど、ピークはより対称的になります。過負荷時のピークの保持時間の変化にも注意してください。

ピーク形状を改善するには:

Aluminaカラムへの注入量を減らす。 これは注入量を減らすもしくはスプリット比を上げることで実行できます。感度が良好な設定にすることで最善の結果を得られます。

より負荷容量の高いカラムを使用する。 PLOTカラムは層の厚さに制限がありますが、内径の太いカラムは膜厚が厚くなります。負荷を上げるためには、内径0.53 mmカラムを使用してください。

 

 

 

The original blog was published on May 8, 2013 @ 07:18 .

[3] クロマトグラムからわかること ピーク形状: 液相カラムを用いた場合の過負荷

2011-jaap-pasfoto4クロマトグラムは指紋のようなものです。 クロマトグラムを”読む”ことができれば、なにがその結果をもたらしたのかを知ることもできます。このシリーズでは、ユーザーの皆様からいただいたGCのクロマトグラムを示し、そこに現れている現象の潜在的な原因について説明しましょう。そして解決策を考えてみましょう。

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図1. よく見られる現象です。ピークはリーディングしており、これは気液分離では過負荷の指標となります。分離は難しくなります。

 

ピーク形状が図1に示すようになってしまいました。ピークの立ち上がりはなだらかで、ピークトップにくると急激に落ちています。ピークのアシンメトリの要因は様々ですが、 結合型のシロキサンやポリエチレングリコールタイプの相を使用する気液クロマトグラフィーにおいて、成分が過負荷である場合の典型的なピーク形状がこのピーク形状です。

このピークが近傍のピークから十分に分離されている場合は、その面積値はカラムへ導入された絶対量を表すのでこの値を用いることができます。

このピークの近くに別の成分が溶出する場合は問題が生じます。

 

これを解決するには:

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図2.カラムへの試料導入量を50%に減らすと、ピークはより対称になるため分離は改善されます。

 

サンプル注入量を減らす:  使用しているキャピラリーカラムの試料負荷量の範囲内で注入します。サンプルの希釈や注入量を減らしたり、スプリット比を上げることでサンプルのカラムへの導入量は下げることができます。図2にカラムへの導入量を50%に減らした場合の分離を示します。 

サンプル負荷量の高いカラムを使用する:カラム内により多くの固定相があれば、負荷量は増大します。最も簡単な方法は、同じサイズのカラムで膜厚だけ厚くすることです。留意すべき点は、膜厚を厚くしたり、長さを長くすると保持時間が増大するということです。オーブン温度を高くすることで保持時間の増大を補える場合もあります。膜厚が2倍厚くなる毎に、同等の保持時間にするにはオーブン温度を15℃高く設定する必要があります。 負荷量を上げるために、より長くより内径の大きなカラムを使用することもできますが、膜厚を厚くする方がより効果的です。無極性カラムの最大膜厚はおよそ5~7µmで、極性カラムの場合には約 2µmです。膜厚を厚くした場合、キャピラリーカラムの効率はVan Deemterの式におけるCl項の増加のために急速に低下します。(これは成分が液相にある場合に生じるバンドの広がりによるものです。)

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図3.非極性カラムでの極性化合物(酸)は過負荷になりやすく、その結果サメひれのようなピーク形状となります。

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図4.酸はStabilwax-DAのような極性相への溶解性が高く、高濃度でもピーク形状は良好です。

目的分析種に対してより良好な溶解度の相を使用する; 液相への溶解度が非常に低いためにピークがサメのひれのようになる場合があります。図3にRtx-1を使用した場合の遊離脂肪酸のピークを示します。液相を厚くしても依然として過負荷が生じます。Stabilwax-DAのような酸に対して不活性な極性カラムを使用すると、これらの極性化合物への負荷量は非常に高くなります。(図4を参照)。

 

 

 

 

 

The original blog was published on May 4, 2013 @ 16:34.

 

[2] クロマトグラムからわかること ピーク形状:サンプルマトリックによりもたらされる反応性

2011-jaap-pasfoto4クロマトグラムは指紋のようなものです。クロマトグラムを”読む”ことができれば、なにがその結果をもたらしたのかを知ることもできます。このシリーズでは、ユーザーの皆様からいただいたGCのクロマトグラムを示し、そこに現れている現象の潜在的な原因について説明しましょう。そして解決策を考えてみましょう。 

Figure 1: Analysis of underivatized amphetamines solvent standard after 71 injections of liver, blood and urine, 65 HFAA Derivatized amphetamines with no cleanup. Note the reaction platform after the injections (green trace)

図 1: 肝臓、血液、尿中の65HFAA誘導体化アンフェタミンをクリーンナップせずに71回注入した後の、非誘導体化アンフェタミン標準溶液の分析。緑のクロマトグラムが示す反応プラットフォームに注意してください。

図1のようなピーク形状が見られました。肝臓、血液および尿中の 65HFAA誘導体化アンフェタミンをクリーンナップせずに71回注入した後、非誘導体化アンフェタミン標準溶液を分析した際の興味深いピーク形状です。.

もともと、アンフェタミンとメタンフェタミンのピーク形状(赤いクロマトグラム)は良好でしたが、時間経過とともに緑のクロマトグラムのようにピーク形状が悪くなりました。前回のピーク形状に関するブログと同様に、”反応プラットフォーム”が形成されているようです。

これはかなり汚いサンプルで、クロマトグラフィーへは大きな影響を与えます。

最初に疑われるのはライナーで、確かに問題を引き起こす可能性はあります。しかし、通常ライナーはこのようなプラットフォームは引き起こさないと考えられます。ライナーにおける典型的な反応の場合、スプリットレス注入でもその分解物はシャープなピークになります。

今回の場合、マトリックスが分離カラムの注入口側を変化させ(汚染)、それがカラムに反応性をもたらしています。アンフェタミンがこの活性が生じた部分を通過する際に、分解されたと考えられます。

 

この現象を軽減するには:

カラムの注入口側の定期的なカット:  カラムは短くなり、保持時間に影響を与えますし、最終的には分離効率に影響します。

ガードカラムの使用:  不活性化処理されたフューズドシリカをガードカラムとして使用できますが、反応性が問題の場合、そのためにコーティングされたガードカラムも使用可能です。コーティングされたカラムは通常、汚染/活性化に対してより許容量があり、耐久性は良くなります。

注入量を減らす: 注入量を減らしても検出限界が達成できるのであれば、ライナーとカラムの耐久性を延ばすことができます。

サンプルクリーンナップをおこなう:余分な作業は必要となりますが、妥協は必要です。

 

The original blog was published on May 1, 2013 @ 08:31.

 

[1]クロマトグラムからわかること ピーク形状: アルミナの反応性

2011-jaap-pasfoto4クロマトグラムは指紋のようなものです。クロマトグラムを”読む”ことができれば、なにがその結果をもたらしたのかを知ることもできます。 このシリーズでは、ユーザーの皆様からいただいたGCのクロマトグラムを示し、そこに現れている現象の潜在的な原因について説明しましょう。そして解決策を考えてみましょう。

Fig.1 Reaction platforms fot 1,2 butadiene observed on active alumina if analyzed at 150C

図.1 活性のあるアルミナを用いて150℃で分析した場合に見られる1,2-ブタジエンの反応プラットフォーム

ピーク形状が図1のようになってしまいました。この分析は、アルミナPLOTカラムを用いた150℃の恒温条件での1,2-ブタジエンの分析です。AとBと2つの反応プラットフォームがあるのがわかります。1,2-ブタジエンはカラム内を移動しながら、より保持力の強い2つの成分に変換されます。カラムに使用されているアルミナは、非常に活性のある材質で、成分によっては分解または反応することがあります。

より保持の弱い成分が生じる場合、反応プラットフォームは主成分の前に形成されます。 例えば、臭素系難燃剤の場合はこちらをご参照ください。 http://blog.restek.com/?p=602

 

 

このような “反応プラットフォーム” が見られた場合、この現象が起きにくい条件を探す必要があります。その化合物はより低い温度で溶出させるべきです。これは次のような方法でおこなうことができます。

 

より低い温度で分析:分析時間は長くなりますが、110℃でもピークは溶出してきます(図2を参照)。

Fig. 2 analysis of 1,2 butadiene at 110C. Due to lower temperature, recativity is greatly reduced

図. 2 110℃での1,2-ブタジエンの分析。温度が低いため、反応性が大幅に低下しています。

流量を上げて分析:  これも簡単に試すことができます。流量を4倍にすると、溶出温度を30℃下げることができます。ただし、これは必ず適用できるわけではありません(例えば、MSを使用している場合)。

可能な限り膜厚/相の薄いものを使用:多くの液相で可能な方法です。アルミナを使用している今回のケースでは、 市販されているものよりも固定相の薄いものは存在しません。

より不活性なアルミナカラムを使用: 多くの場合、反応性はアルミナマトリックス中の不純物によって引き起こされます。 CFC分析に良好な挙動を示すアルミナがあるように、使用されるアルミナによって差異が認められます。  http://blog.restek.com/?p=1143

 

The original blog was published on Apr 28, 2013 @ 07:35

GCセプタムによるトラブルの防止

  • セプタム由来のピークをなくすための最適なセプタムの取扱いとメンテナンス
  • セプタム選択ガイドライン
  • 適切なセプタムを選択し、パフォーマンスを最適化

セプタムの取扱い

GCセプタムの取扱いを誤ると、その組成や穴あき、耐熱性に関わらず、全てのGCセプタムはトラブルの原因となり得ます。セプタムを取扱う際は必ず、清浄な先の尖っていないピンセットを用いるか、パウダーフリーもしくはコットンの清浄な手袋を着用してください。手で直接触れることや、パウダー付きのラテックス手袋の着用は、指の油や香水、化粧品、爪の屑、クリーム、ハンドソープ、パウダーなどによるセプタムの汚染を招き、分析中にブリードとして溶出してきます。

また、セプタムを取付ける際は必ずセプタムや機器メーカーの推奨に従ってください。セプタムナットの締めすぎは、セプタムの穴を大きくしたり、ひび割れの原因となるため、セプタムの寿命を短くします。

セプタムブリード

全てのGCセプタムには、様々な量の揮発性物質(シリコーン油やフタル酸など)が含まれており、これらはセプタムが分析温度に加熱されると溶出してくる可能性があります。このような揮発性物質がカラムへ入り、カラムから溶出してくることで、セプタムブリードと呼ばれる、クロマトグラム上の高いベースライン(恒温分析時)やベースラインの乱れ、余分なピーク(常に存在する)となります。この問題は、オーブン初期温度が低くなる際にセプタムの揮発性物質がカラムに凝縮されるため、昇温分析でよく見られます。

セプタムブリードを避けるには、分析前にセプタムのコンディショニングをおこなうか、もしくはコンディショニング済みのセプタムを使用します。最適な性能を引き出すには、分析温度で数時間セプタムをコンディショニングしてください。

セプタムのコアリング

現在、ほとんどのガスクロマトグラフには、セプタムの裏側表面を横切って流れるセプタムパージ機能が付いています。これにより、大部分の揮発性物質はカラムへ導入されなくなります。では、セプタムに何度もシリンジニードルが挿入されたり、シリンジニードルが損傷していたり、間違ったニードル先端形が使用された場合にはなにが起こるでしょうか?このような場合、コアリングによる小さなセプタムくずが生じ、ライナー内へ落ちます。ライナー内では、セプタムくずは一般にセプタムハウジングよりも高い温度に晒されることになり、揮発性物質が溶出し、カラムもしくはスプリットベントへと流れていきます。

セプタムコアリングを防止するには、セプタムナットの締めすぎに注意し、定期的にセプタムを交換してください。また、シリンジニードルの先端の点検も大切です。より柔らかく柔軟性のあるセプタムへの交換も検討しましょう。柔らかいセプタムの方が、硬いセプタムよりもコアリングは起きにくくなります。ただし、柔らかいセプタムは最高使用温度が低いため、セプタムの切替前にメソッドをよく確認する必要があります。シリンジニードルの先端形状を変更することで、セプタムコアリングを減らすこともできます。例えば、Pint Style2ニードル(beveled needle point)は、Point Style 5(conical needle with side port)よりもセプタムを削りやすい形状です(特に先端が曲がっていたり、鈍っている場合)。

*シリンジニードルの先端形状はこちらをご参照ください。http://www.restek.com/techtips/Syringe-Basics

低ブリードセプタム

ベースラインの上昇やセプタム由来のピークは、分析対象化合物の同定や定量を妨害する可能性があります。

穴あきセプタム

シリンジニードルが簡単にきれいに貫通できるセプタムは、より耐久性がよくなります。さらに、そのような一貫した注入により、より正確な結果を得ることができます。全てのRestekのセプタムに用いられる柔らかいシリコンゴムは、穴があけやすいようにかつ、クロマトグラフィーの性能を維持するように配合されたものです。しかし、最高使用温度を上げるために柔軟性を犠牲にする必要がある場合、穴あきセプタムの中心にあるくぼみは、セプタムのコアリングを最小限に抑え、清浄で安定した注入がおこなえるようにニードルガイドの役割を果たしてくれます。

ご使用の装置に適したセプタム

Restekでは、主要なガスクロマトグラフとインジェクターに適したセプタムを取扱っています。便利なセプタムサイズチャート(http://www.restek.com/techtips/Handy-Septum-Size-Chart)を用いてご確認いただくか、弊社へ直接お問い合わせください。

最適なセプタムは?

Thermolite plus セプタムは非常に低ブリードなセプタムです。最高使用温度は350℃で、ほとんどのアプリケーションに使用することができます。

 

 

 

BTOセプタムのブリードは、最高使用温度400℃で最適化されており、GCやGC-MSの厳しいアプリケーションの要求に耐えられます。また、高温下においても優れた柔軟性と穿孔性を有します。しかし、温度が低い場合にはBTOセプタムの穿孔性は制限され、セプタムのコアリングやニードルの損傷を生じる可能性があります。選択が丸く、テーパーのあるニードルを使用する場合、センターガイドはセプタムのコアリングを低減します。

 

 

 

 

Restekのセプタムは、一貫したフィット感を生み出すように精密形成されており、コンディショニング済みのためすぐに使用できます。また、製品の清浄さを保つため、ブリスターパックでパッケージされています。

 

<Preventing GC Septum Problems by Mark Badger and Scott Grossman http://www.restek.com/pdfs/GNAR2671-UNV.pdf より>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【New】Biphenyl はLCカラムの第一選択肢になり得るのでしょうか?

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38年近くにわたりGCの化学者である私は、なぜLCの分離はC18なのかいつも疑問に思っていました。 C18は極めて良好な非極性固定相であり、極性移動相が非極性固定相と共に使用される逆相クロマトグラフィーの基本です。しかし、非常に多くのC18の固定相がある中で、どのようにして目的にあったC18を選ぶのでしょうか?極性化合物を分離することもあります。LCの大きな利点の一つは、GCのように誘導体化をせずに極性の高い化合物を分析できることです。このような化合物に対し、なぜC18を選択するのでしょうか?

クロマトグラフィーの基本的なルールは、目的化合物と相互作用のある固定相を選択することです。例えば、GCでの炭化水素の分離には、Rtx-1のようなポリジメチルシロキサンが使用されます。アルコールやグリコールには、Rtx-Waxのようなポリエチレングリコールが使用されます。さらに光学異性体の場合には、異性体の一つのタイプに対して特異的親和性を示すようなキラル固定相が使用されます。

LCでは、多環構造、置換基を有する環構造や小さな極性化合物がよく分析されています。これらの化合物は分散力によってC18と相互作用しますが、水素結合や陽イオン交換によってシリカ基材と相互作用をおこすこともあります。このような相互作用は、「シラノール」相互作用とも呼ばれ、好ましくないと考えられることもあります。実際、多くの分離においてシラノール相互作用は分析対象化合物の保持に有意に寄与します。つまり、シラノールは保持を生み出すという点では有益であると同時に、シラノールが制御されていない、もしくはシリカ表面が均一でない場合には障害をもたらすことを意味します。シリカ基材の違いは、全てのC18が同じではない主な理由の一つでもあります。

Fig,1 Surface of C18 silica.

Fig,1 Surface of C18 silica.

そこで私の頭に浮かんだ問題は、逆相モードにおける極性化合物の付加的な保持機構をどのように生かすかということです。一つの方法は、Restekで開発されたBiphenyl固定相です。

 

Biphenyl固定相は、C18と同じように分散力によって化合物を保持しますが、より多くの分極性の化合物を保持することもできます。基本的に、Biphenyl相に存在する利用可能なπ電子は、電子が不足している化合物に対する保持を生み出します。共役には非常に多くのπ電子が存在するため、phenyl-hexylやdiphenylタイプよりも小さな極性化合物に対してよりよい保持を得ることができます。

biphenyl-jpg

Fig. 2 Biphenyl

私は、メソッド開発をする際、BiphenylはC18よりも良い選択であると考えています。例えば、最近の食品関連の学会で見た例では、RestekのRaptor Biphenylを使用したLC-MS/MS分析で600種類以上の農薬の一斉分析がおこなわれていました。

どのような固定相にも、常になにかしら欠点があります。Biphenylの場合、それはUVにおけるブリードです。すべての固定相においてブリードが起こるというのは、ちょっとした業界の秘密です。C18はUVやMSでブリードは見られません。Biphenylは場合によってはUVでブリードが見られます。そのような場合はRestekのテクニカルサポートにお問い合わせいただければ、ブリードの抑制方法についてのアドバイスをさせていただきます。

ところでBiphenyl相はどのように生まれたのでしょうか。GCカラムのポリマー化学者やLCの研究開発者、アプリケーション担当など、本当に多くの優秀な人々が携わりました。ユニークで素晴らしい製品を生み出すには、実験や化学の基礎、そしてチームワークの素晴らしい物語がありました。Biphenylについての詳細はhttp://www.restek.com/biphenylをご覧ください。

Special thanks to Ty Kahler and Paul Connolly for their input in this blog

リークディテクタのリチウムイオンバッテリー

近年、リチウムイオンバッテリーについて多くの報道がありますが、肯定的なものばかりではありません。充電中や操作中に火災を起こした製品は、飛行機からホバーボート、
22655携帯電話まで様々です。これらの問題は、セルの構造や保護回路が損傷した場合に発生します。保護回路は、過電圧や低電圧(過放電)を回避する役割を果たします。

過電圧

充電電圧がセル電圧の推奨上限値、通常4.2V(Restek リークディテクタでは4.275V)を超えた場合、過剰な電流が流れ、2つの問題が生じます。

  • リチウムめっき

過剰な電流が流れると、リチウムイオンはアノードのインターカレーション層間に迅速かつ十分に収容されず、アノード表面に蓄積して金属リチウムとして析出します。これはリチウムめっきとして知られています。その結果、遊離リチウムイオンが減少して不可逆的な容量損失が生じ、さらにこのリチウムめっきは必ずしも均一ではなく、樹枝状の形となり最終的に電極間にショートを生じる可能性もあります。リチウムめっきは低温での操作によって引き起こされる可能性もあります。

  • 過電流はまた、セルのジュール熱を増加させるため、温度の上昇さらには過熱を伴います。
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低電圧/過放電

充電式リチウム電池は過電圧だけではなく低電圧も問題となります。過放電もしくは長期間の保存によって、セル電圧が約2V(Restekリークディテクタでは2.3V)以下になると、電極材質の崩壊が起こります。

  • アノード:まずアノード集電体の銅が電解液中へ溶解します。これはセルの自己放電率を増加させます。ところが電圧が再び2Vを上回ると、電解液中に拡散した銅イオンは必ずしも元の集電体へ戻るわけではなく、いたるところに金属銅として析出します。これは最終的には電極間のショートを引き起こす危険な状態です。

 

  • カソード:電圧が2V以下の状態で長期間保存された場合、カソードのコバルト酸リチウムとマンガン酸リチウムから酸素が放出され、その結果恒久的な容量損失というサイクルが繰り返されてカソードが劣化します。リン酸鉄リチウム電池では、これが数サイクルで起こることがあります。

 

上記のようなリチウムイオン電池の性質は、リークディテクタのバッテリー寿命や、お客様及びお客様の施設に悪影響を与える可能性があります。そのため、リチウムイオンバッテリーには保護回路が備わっています。

「Restekのリークディテクタを使用していますが、なにか影響がありますか?」というご質問があるかもしれません。保護回路があるため、過充電や加熱の心配はありませんが、ご注意いただきたいのは、2.3V以下までバッテリーを放電してしまうと、保護回路が作動し、再充電できなくなるということです。

「では、そうならないためにどうしたらよいですか?」というご質問もありますが、リークディテクタはたまに使用するものではなく、GCやラボのガス配管の漏れチェックのために日常的に使用するものです。

日常的に確認していただくカ所としては、次のようなカ所があげられます:

セプタム及びセプタムナット、ウェルドメント、注入口へのガス配管、リデューシングナット、カラムナット、ガスフィルターの接続、ガス配管、レギュレーター

 

日常的な点検の一環としておこなうことで、リークを早期に発見でき、カラムが壊れるのを防げますし、貴重なガスを無駄にすることもありません。リークディテクタを定期的に使用すると、定期的に充電する必要があります。リークディテクタは少なくとも3~4ヶ月ごとに充電する必要がありますが、実際にはもっと頻繁に充電する、もしくは使用していないときは充電しておいた方がよいものです。バッテリーには保護回路があるので、過充電の心配はありません。

Restekリークディテクタ(22655)に関する情報はこちらからhttp://www.restek.jp/catalog/view/8175/22655

References

http://www.mpoweruk.com/lithium_failures.htm

【New】珪藻土担体DiatoSorb-Wのご紹介

diatosorb

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DiatoSorb-Wは珪藻土担体です。RestekはChromosorb-W製品やChromosorb-W充填剤の代替品として、DiatoSorb-Wを使用したパックドカラムとコーティングされた充填剤(液相の%は選択可能)の販売を開始します。”W”は”White(白)”の略で、未処理でコーティングされていない状態の色を表しています。

USP S1Aに準拠したカラム、もしくはChromosorb-W/AW(酸洗浄)を使用しており、DMDCSもしくはDMCSによる処理・不活性化をしていない場合はDitoSorb-W-WAを使用できます。

また、USP S1NSに準拠したカラムもしくはChromosorb-W/NAW(酸洗浄なし)を使用している場合は、DiatoSorb-W/NAWを使用できます。

 

まとめ:

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USP S1A

DiatoSorb-W/AW = Chromosorb-W/AW

DiatoSorb-WHP = Chromosorb-W/AW-DMDCS

 

USP S1NS

DiatoSorb-W/NAW = Chromosorb-W/NAW

 

略語:

W = white

AW = acid washed

NAW = non-acid washed

HP = high performance

DMDCS = dimethyldichlorosilane (不活性化処理試薬).  DMCS (dimethylchlorosilane)と表記されることもあります。

Silcoport-Wを用いたパックドカラムは、名前の変更はありませんが、充填剤はChromosorb-Wの代わりにDiatoSorb-Wが使用されます。Silcoport-W充填剤の不活性化特性に変更はありません。Silcoport-WはUPSのS1Aに準拠します。

 

 

注)DiatoDorb-W珪藻土材質はChromosorb P(ピンクの耐熱煉瓦)やChromosorb  porous polymerとは異なります。.

*Chromosorb P, P/AW, P/NAW, P/AW-DMDCS

**Chromosorb 101, 102, 103, 105, 106, 107, 108, N, P, Q, R, S, T

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GCによるN2O (亜酸化窒素) の分析: 更新

2011-jaap-pasfoto4-small亜酸化窒素(N2O)は一般に”笑気ガス”として知られていますが、ロケット燃料やエアゾールガスとしても使用されています。 N2O自体は安定なガスであり、ガスクロマトグラフィーを用いて比較的簡単に分析することができます。N2OはよくNO(一酸化窒素)と混同されます。 NOは非常に反応性の高いガスです。酸素存在下では、NOはすぐに酸化されてNO2になります。 NO2は赤褐色を示すため、簡単に確認することができます。また、NO2は反応性を示します。つまり、ガスクロマトグラフィーによるNOおよび NO2の分析は一般にはおこなわれません。詳細はこちらをご覧ください: http://blog.restek.com/?p=4583

N2O elutes as a sharp peak from alumina.

Nitrous oxide on Alumina BOND / Na2SO4 Column: 30m x 0.53mm Rt Alumina BOND / Na2SO4; Helium, 4 mL/min; Oven: 40ºC; sample: 60µl; Detector: PlasmaDetek PED; sample: 5.4 ppm N2O.Chromatogram courtesy: L. Paradis, LDetec.

最近、セパレーション・サイエンスで N2O分析に関するサマリーの発表がありました。多孔質ポリマーや アルミナ、Molesieve 5AおよびShinCarbonなど異なる固定相における分離が示されています。

全文はこちらをご参照ください。:http://www.restek.com/pdfs/Analysis-of-Gases_Part1.pdf

CO2が存在するとN2Oの測定の妨げになる可能性があるため、アルミナPLOTによる分析はとりわけ興味深いものになっています(図1.) 。 CO2はアルミナによって完全に吸着され、その結果 N2Oの単一なピークが得られます。CO2は定期的に200℃でコンディショニングすることで除去できます。

 

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