[4]クロマトグラムからわかること ピーク形状: PLOTカラム(吸着剤)を用いた場合の過負荷

2011-jaap-pasfoto4クロマトグラムは指紋のようなものです。クロマトグラムを”読む”ことができれば、なにがその結果をもたらしたのかを知ることもできます。このシリーズでは、ユーザーの皆様からいただいたGCのクロマトグラムを示し、そこに現れている現象の潜在的な原因について説明しましょう。そして解決策を考えてみましょう。

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図1.アルミナカラムによる炭化水素の分離。テーリングの影響でブテンの異性体分離ができていない。 吸着クロマトグラフィーにおけるテーリングのほとんどは過負荷によるもの。

 

Rt-Alumina BOND/KClカラムで炭化水素の混合物を分析しました。ピーク形状が図1のクロマトグラムに示したようになりました。ブテンがテーリングし、分離が悪くなっています。通常、テーリングはカラムに存在する活性部位によって引き起こされます。

この場合、固定相は吸着剤であるアルミナです。ここでの分離機構は、気―液クロマトグラフィーとは異なり、気―固クロマトグラフィーに基づきます。気―固クロマトグラフィーでは、成分と吸着剤表面とが相互作用します。このため過負荷による現象も異なってきます。図2にその影響を示します。Rtx-1のようなポリマーを固定相としている場合、オーバーロードしたピークはなだらかに立ち上がり、その後急激にベースラインまで下がります。気―固クロマトグラフィーでは、この反対になります。成分が溶出してくるとピークは急激に立ち上がり、ピークトップからベースラインにもどるまではなだらかに下がっていきます。

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図2.過負荷成分のピーク形状。左:気―液相互作用 右:気―固相互作用

これが図1で観察されたことです。ブテンのピーク形状は過負荷によるものです。

図3にRt-Alumina BOND/KClカラムへ1成分あたり5もしくは50 ng注入した場合の影響を示します。過負荷による影響は明確です。また、オーバーロードしたピークのピークトップの保持時間が早くなることにも注意してください。

 

この現象は、全てのPLOTカラム(Porous Layer Open Tubular)および同等のパックドカラムにおいて起こります。ShincarbonやMolsieve 5Aおよび13XやSilicagel、Rt-Q、QS、SおよびU BOND、Alumina BOND/MAPDおよびCFCなどの一般的な吸着剤は、過負荷に対し同じ症状を示します。

 

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図3.カラムへの導入量が少ないほど、ピークはより対称的になります。過負荷時のピークの保持時間の変化にも注意してください。

ピーク形状を改善するには:

Aluminaカラムへの注入量を減らす。 これは注入量を減らすもしくはスプリット比を上げることで実行できます。感度が良好な設定にすることで最善の結果を得られます。

より負荷容量の高いカラムを使用する。 PLOTカラムは層の厚さに制限がありますが、内径の太いカラムは膜厚が厚くなります。負荷を上げるためには、内径0.53 mmカラムを使用してください。

 

 

 

The original blog was published on May 8, 2013 @ 07:18 .

2 Responses to “[4]クロマトグラムからわかること ピーク形状: PLOTカラム(吸着剤)を用いた場合の過負荷”

  1. Lars Kurstein says:

    Dear Jaap –

    Thanks, Jaap. Category “Pure Gold” information, as usual..!…:-)

    Another observation according to PLOT columns vs. WCOT columns: I have several times observed that peaks overloading the stationary phase tend to affect shifts on the retention times on normal size or small peaks in chromatograms far more on PLOT columns compared to WCOT columns. Just wonder why … A part of the answer is possible given in this latest blog?

    By the way, can you explain why no PLOT columns with MS13X adsorbents are produced? We only see MS5A PLOT columns.

    Hope to see you at the GAS-2013 Symposium early June, Rotterdam?

    With kind regards –
    Lars kurstein, Copenhagen

    • Hi Lars
      You are very correct that peaks shift in PLOT applications move more when overloaded. That’s part of tyeh “capacity” question. As we have only “surface” interactions in adsorption separation, the surface area defines the loadability.
      MOlsieve 13X is used historically for serparation paraffins from Naphthenes ate very high temperature,. This is babsed on a real “sieving” effect.

      You can us ethe 13X also for pert, gases. The CO has a lower retention on a 13X then onj a 5A, so sometimes they prefer teh 13X. You can also use the 5A column at a few degress hifger temperature, then tehy CO also elutes much closer to methane.

      regards
      jaap

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